クリティカルシンキングとは?

教育方針イメージ クリティカルシンキングは一般的に「批判的思考力」と訳されています。では具体的に、これはどのような思考力なのでしょうか。批判、と言うからには相の欠点をあげつらったり発言の揚げ足取りをすることか、と思われるかもしれませんが、そうではありません。簡単に言うと、対象となっている物事を複数の観点から分析・評価することによって、その対象をより良く理解しようとする思考のことです。例えば、天気予報が「今日は快晴でしょう。」と言っていても、空の雲行きが怪しかったら「ひょっとしたら後で雨になるかもしれない。」と自分なりの判断を下して傘を持って行くことがあるかもしれません。これは立派なクリティカルシンキングの力を行使した例になります。この場合、「これからの天気」という対象に対して、「天気予報」という一つの観点からだけ結論づけるの避け、「現在の雲の様子」というさらに別の観点からの分析・評価も用いて最終的な判断を下しています。 ですから、このように、実は私たちは程度の差こそあれ、誰でもクリティカルシンキングの技能を用いて生活しているのです。使い方を間違えると「理屈っぽい人」との烙印を押されてしまいますが、自分の生活をより快適にするためにはいくら用いても構わないはずです。実際、天気よりももっと切実で重要な問題も世の中にはたくさんあります。「原発の再稼働」「集団的自衛権」「憲法9条改憲」「ウクライナ情勢」(2014年5月現在)などは、多くの人の人生を大きく左右しかねない重要問題です。どれも様々な要因が複雑に絡み合い、一筋縄では簡単に結論が出せない問題です。ですが、だからと言って「エライ人達の言うとおりにしていれば大丈夫。」というような他人任せの方針では、気が付いた時には「そんなはずじゃあなかったのに…。」と後悔することになりかねません。ですから、自分でさまざまな視点からその対象について分析を加えて、その時点で最も妥当な判断を下すというクリティカルシンキングの力は生きていく上で大切な思考技能になるのです。