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韓国の旅客船「セオゥル号」の沈没事故の後、ソウルの地下鉄で追突事故がありました。(犠牲者の方々には心から追悼の意を表します。)共同通信は次のように事故の様子を伝えています。
  「ソウルの地下鉄で2日に起きた追突事故の直後、車内での待機を求める放送を無視して乗客が線路上に降り、対向列車にひかれかねない危険な状況が生じていた。待機を指示する放送に従った乗客の多くが犠牲になった旅客船セウォル号沈没事故の記憶が鮮明で、指示を信じずに危険な状態を招く悪循環が起きていた。 地下鉄事故は駅に停車中の車両に後続車が追突。運営会社によると、後続車内で事故直後、状況が把握できるまで車内に待機するよう求める放送を流した。乗員はその後、対向線路の運行と線路脇の高圧電流の送電を止めたことを管制所から確認し、車外に出るよう放送、ドアを開けた。 しかし、多くの乗客は車外退避を求める放送前に非常レバーを操作してドアを開け、対向線路側に出ていた。複数の乗客は「車内に残ることに恐怖を感じて、放送を信じられなかった」と取材に答えた。」
  このような切羽詰まった状況において、正しい判断を下すことは極めて難しいと言えるのではないでしょうか。まずたくさんの犠牲者を出したセウォル号の場合には、待機せよとの指示に従った結果、多くの尊い人命が失われたと考えられる一方で、この列車の追突事故では、待機せよとの指示に従わなかった場合、ひょっとしたら対向列車に轢かれていたかもしれません。その場に留まるべきか、逃げるべきか。これからも、この2つのどちらを選択するかで、生死が決まるかもしれません。この2つの事故は、正確な情報が手に入らない状況において正しい判断を下すことが極めて困難であることを示すと同時に、一つでも多くのより正確な情報を入手することの大切さを私たちに教えてくれているのではないでしょうか。